ナスダック

インテル及び他の半導体銘柄を考える

本日はインテルを素材に半導体の行方と、期待がもてる銘柄を複数あげていきたいと思います。

インテルは2021年7月26日に2025年に向けてのロードマップを発表しました。そのロードマップは非常に強気で、2025年に半導体の製造技術でのリーダーになることを宣言しています。つまり、現在はリーダーではないのです。

(出所:インテル)

インテルは半導体の王者奪還は難しい?

半導体の製造技術で分かりやすい指標で、微細化技術があり、x nmで示されます。微細化技術の現在のトップはTSMCであり、2020年に5nmプロセスの量産に成功しています。2022年には3nmを量産投入、開発ラインベースでは今年度中に2nmラインを完成させる予定です。NVIDIAやAMDは、自社で設計したものをTSMCに製造委託しており、世界最先端の製造技術を利用して、世界最高峰の設計商品を世界に提供しているのです。

ではインテルはどうでしょうか。インテルは王者というイメージがあるものの、現在は10nmで止まっており、7nmのCPUを2022年に投入しようかという状態です。明らかな実力差が発生しています。身近のところでも、デスクトップCPUのシェアがAMDに奪われつつあるなど、弱体化が顕著です。ただ、市場自体は伸びているため、相対的な弱体化です。なので、インテルはここで王者に返り咲こうと、2025年に向けたロードマップを発表しました。

インテルは微細化技術でいう1.8nmに相当するIntel 20Aを2025年に投入しようとしています。何故相当かというと、インテルが性能をnmで語ることは、正しくない!マーケティングのための用語だ!といい出し、みてもわからない名前に変えてきました。この変から既に「・・・」と思いましたが、7nmの量産投入で悪戦苦闘しているインテルが本当にロードマップ通りいけるのか・・・。また、インテルはアリゾナに2兆円をかけて新工場設立、3兆円をかけてGLOBALFOUNDRIESを買収予定ですが、半導体受託製造世界シェア6%程度の同社を買収してどうにかなるものか・・・そもそもGLOBALFOUNDRIESは2018年に7nmの技術開発をあきらめ、無期限停止にしています。私の感覚ですが、アメリカ企業は開発力は世界1流ですが、生産技術は自動車産業をみてもわかる通り、傾向としてですが、世界を席巻するほどではないように思えます。それらを総合的に考え、本当にインテル、ロードマップ達成できるの?と思うわけです。

(出所:トレンドフォース)

市場も疑う?インテルのロードマップ

そして、私だけが思っているわけではありません。市場がロードマップ達成できるの?と思っているはずです。だって、これ発表しても株価が反応しなかったのですから、、、チャートを見て、どこで発表したかわかるでしょうか?逆をいえば、これだけ市場から期待されていないので、万が一、ロードマップが実現した暁には、株価は爆発的上昇が期待できるでしょうが、どうでしょうか?そんな否定的な私ですが、個人投資家で圧倒的に有利なのは、その5分後には考えが180度変わってもある意味、許されることです。インテル、いけそうかなと思ったら、またご案内します。

結局、頼りにされるASML

ところで以前もASMLをご紹介しましたが、今回のインテルのロードマップ発表の中にも、ASMLが登場しています。結局、AMSLがいないと、先端の微細化ができないのです。インテルが勝とうが、サムスンが勝とうが、TSMCが勝とうが、ASMLは必要とされます。投資においては、そういう「ポジショニング」にたっての投資も良いでしょう。意見対立に乗るなら、インテル派につくか、AMD派につくか、それも面白いかと思います。私は今はAMD派です。インテルも「ウォッチ」し続けます、市場自体は拡大しますからね。

(出所:インテル)

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