ナスダック

相対的に弱い日経平均株価

本日は書き出しから極めて重要なグラフです。とてもすごいことを書いているわけではありませんが、これを認識して投資するのは大事です。
下記グラフをみるとわかるとおり、2021年3月19日に日銀が年間買い入れ目安である6兆円を削除して以降、日経平均が露骨に相対的に弱くなっているのがわかります。3月19日以前の株価もお見せしているのは、日銀が買っていた期間は日経平均もそれなりの強さだったということを認識したいためです。では次に、日銀の買いとは、一体どれぐらいのインパクトがあったのかみてみましょう。

まさに爆買いだった日銀の買い

下記をみれば一目瞭然、日銀が買い過ぎです。日銀が買う間に、個人と海外投資家はせっせと売却です。信託銀行にはGPIFの買いが混ざっているかと思われますが、いずれにしても、問題は日銀の買いです。どうみても日本株を買い上げる原動力になっていたようにみえます。問題は、日銀が買わなくなってきたことです、、、

(単位:億円)
 日銀個人海外投資家事業法人信託銀行
2015年30,694-49,995-2,50929,63520,075
2016年46,016-31,623-36,88722,23632,651
2017年59,033-57,9347,53212,324938
2018年65,040-3,695-57,40225,70515,065
2019年43,772-43,129-7,95341,870-189
2020年71,366-8,769-33,63512,74416,396

最近の日銀、買ってくれない

下記の通り、最近はもう日銀が株をあまり買ってくれなくなりました。3月19日以降、明らかに買いが落ちており、5月、7月は現在のところ、ゼロです。株価が弱くなるのも仕方ないかな、、、とも思ってしまいます。

需給は株価に影響するのか?

します、が正しい答えだと思っています。理論上は企業業績が株価にリンクしますが、実際は企業業績を基準に、買いたい人が多いのか、売りたい人が多いのか、それが株価を決定していると思っています。実際、昔は分割発表したら露骨に株価が上がったり、ソフトバンクグループの自社株買いで株価が上がったり、朝日インテックの転換売りでその期間は株価が低迷したり、状況証拠は十分でしょう。もっといえば、約20年前にあった代行返上売りと持ち合い解消売りで株価が相当下がった記憶もあります。ですので、日銀のこの大規模買いは、株価に影響していたと思いますし、その株が売りに出ずとも、その買いがなくなるだけで、日本株にとってネガティブかと思います。

なお、個人的には黒田総裁率いる日銀は大変頑張っていると思います。これだけ前代未聞の買いを実行し、経済に「猶予」を与えてくれています。本来、この間に日本企業は構造改革を断行し、根幹を鍛えるべきです。日銀はその猶予期間を提供してくれたのであり、企業は株価上昇が全て自社の力と勘違いせず、根幹を徹底して強化すべきであり、それを行った企業は、日銀がいつか売却に動く時でも、株価に期待がもてるでしょう。昨今気になるのは、国債なんてデフレなんだから幾ら刷っても問題ない?という風潮でしょうか、昔とは逆になってきました、、、米国株投資は、日本通貨の通貨安対策にもなりますね。

魅力的なナスダック/半導体株

ますます米国株投資を行うべき環境が整ってきたかと思います。米国株といっても、米国に上場する他の国の企業も含めて行っていますが、以前もご紹介したASML(ナスダック上場のオランダ企業)は引き続き上場来最高値をとり推移しています。半導体の微細化が進んだ最新鋭ラインを構築しようとすると、ASMLのEUV露光装置なくしてライン構築できず、これが最新鋭微細化ライン構築のボトルネックといえます。日本企業であるレーザーテックも検査装置で世界100%シェアのモノを持ちますが、ASMLのEUV露光装置も世界シェア100%であり、その供給がレーザーテックのボトルネックになりかねないほどの企業です。逆にいえば、ASMLがボトルネック化する可能性がある中、レーザーテックよりASMLに投資妙味を感じます(相対感であり、レーザーテックも興味深い企業です)。足元の株価もASML優位で進行中です。

チャート画像

このように、日本株への投資が良い時期もあるかと思いますが、2021年3月19日を起点に、日本株、米国株どちらも良いという状況から、米国株の方が良いね、という色合いが強まったように感じています。(グローバル基準の経営を行う一部企業は日本企業であっても投資妙味有りと考えていますが、全般的な話です)

次週はインテルが打ち出したドリームプランから、インテルの株価、関連企業の株価についてお話したいと思います。ドリームプランと私が書いた時点であれですが、インテル発表のプラン実効性に疑問をもっています。

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