・金融面
量的緩和の縮小に加え、米国が利上げにより過剰流動性相場(金融相場)から業績相場への移行期になる。過剰流動性相場は、金融緩和がもたらすWACC低下により、投資活動が活発になるほか、自動的に株価押し上げ要因となる。株価は業績を映す鏡であると同時にそうではない。緩和が株価を押し上げる。利上げはWACCを押し上げ、株価を押し下げるが、利上げを行うのは力強い経済が基本的には背景にあり、利上げ転換察知時はWACC上昇による株価下落もしくは停滞をグロース株中心に引き起こすが、ファンダメンタルの強さが株価を再度押し上げる。利上げがどこかで行きすぎるので、業績絶好調下で株価の上昇が一時停止となるが、しばらくは業績相場フェーズへ。
・実態面
世界は効率化から価値創造の時代へと加速する。ここ20年間のIT革命は、半分ぐらいは地球の効率化であり、既存の何かを繋げることが主要な成果だった。悪く言えば物事をつなぎあわせるだけなので、頂点に君臨するプラットフォーマーは小資本で著しい利益を獲得できる仕組みがある。しかしIT革命、さらにはグローバル化によって相当程度、”効率化”されきった今、再び何かを”創造”する時代になっている。ソフトバンクグループの孫氏はその時代をよむにあたり、素晴らしい指針を示している。コンピューティングの進化は計算、記憶、検索、理解、推論、創造の6段階だという。非常にチャンス溢れる時代におり、IT革命に次ぐ、AI革命の初期段階に位置している。
・半導体
半導体はメガトレンドに入っており、半導体の不足傾向は常態化し、特に微細化が進んだ半導体については不足感が何年間も続くと想定。7nm+以降の微細化工程に必須の蘭ASMLのEUV露光装置(世界シェア100%)の供給が需要に追いついていない、フル生産。かつて露光装置世界トップの競合だったニコンはEUVの開発をはるか前に断念しており、潜在性ある競合さえいない。レガシー型はコストの問題割合が大きいため、相対的に需給緩和しそうだが。しかしレガシー型向けのArF液浸露光においてもASMLはフル生産であり、ASMLの業績予測が検収時期と売値に変数が絞られてしまっているに近いぐらいの異常事態。言い方を変えれば、ASMLのおかげでムーアの法則が延命されている。理解、推論、創造の世界が確立された時の需要がどの程度増えるのか知らないが、著しく多そうというのはわかる。
・米国企業の素晴らしさ、自由の国であり自由にさせない米国。
米国型経営は、日本では株主優遇論で評判が良いとは思えない。しかし実態として、米国企業は株主優遇面もあるかもしれないが、本質的には「資本の効率性」を根源して考えた結果の株主価値経営であり、その意味で米国(型)企業は素晴らしい。資本は有限である。それを高い効率をもって運用することで、経済は複利をもって拡大していく。日本は対照的で、一部の企業の除いてお金を寝かすことが好きだが、不要なお金ははき出し、つまり自分で使うか、適切に使う能力がなければ、株主に還元し、株主が次の成長へ使えば良いと思うがはき出すことは全体としては悪の傾向にある。日本が重点だと叫ぶ研究開発も、米国の方がしっかりと研究開発しているのではないか。ここで言いたいのは、米国企業は資本効率が高く、EVAが高い。つまり利上げのダメージがEVAの厚い米国企業は相対的に低く、日本企業の大部分であるEVAぺらぺら企業は高く、利上げ局面では日本企業の淘汰が進みやすいかもしれない、というか、きちんと経営している米国(に限るわけではないが)企業がより光りそうだということ。そのように素晴らしい米国である一方、自由そうで自由ではないのも米国。米国は欄ASMLに対し、先のEUV露光装置の中国への販売を禁止させている。中国での最先端技術利用をそれにより疎外している。最近は、一般半導体にもその方針を広げようと検討しているといわれているが、国際協調のもとでそれを実際にやったら、かつての日本から原油とりあげるかのごとく、恐ろしいことになるのでしないだろうが、かつての自動車なり、かつての半導体なり、日本であったことが中国でも起こっているようにみえる。負けそうになると、力技に出てくる、正確に言えば力技で戦える総合力を持った米国は、ある意味、米国らしく一貫性がある。
まとめると下記。計算、記憶、検索、理解、推論、創造の6段階、EVAと利上げの関係、EUV露光装置による制約条件化、EUV輸出規制と国家総合戦による米中攻防。それらをもってのAI革命/創造の時代。
パフォーマンス結果(2022年1月3日時点)
アクティブ型ポートフォリオ仮想運用の結果
仮想運用中金額(含み損益含む):2,023,290円
累計利益(含み損益含む):+23,290円
分散型ポートフォリオ仮想運用の結果
仮想運用中金額(含み損益含む):5,023,475円
累計利益(含み損益含む):+23,475円
アクティブ型ポートフォリオの集計期間:
集計開始日:2021年2月8日(サービス開始日)~
(2021年2月8日~2021年8月28日の期間は無料掲載していた期間となります)
分散型ポートフォリオの集計期間:
集計開始日:2021年8月29日(サービス開始日)~
*寄付売却資金にて別の銘柄の寄付買付を行う場合があります。
*買付量は参考までに表示しておりますが、お客様のご資金により調整をお願いします。
*売買時の為替レートはGoogleのレートを参照しております。
*売買手数料及び米国株売買時の為替スプレッドは考慮しておりません。
*過去の結果は将来の結果を保証するものではありません。
Comments are closed